ところが、もうひとりのほうが答えて、彼をたしなめて言った。「おまえは神をも恐れないのか。おまえも同じ刑罰を受けているではないか[ルカ23:40]
初めは主イエス様を激しく罵っていたこの強盗が、急に変わり、キリストを信じるようになったのはなぜなのか、確かなことはわかりません。しかし、それはルカ伝23:34に記録されたキリストの尊い祈りのためだったのではないでしょうか、『父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです。』この言葉が罪人の心に触れたに違いありません。これほどの慈悲、これほどの愛、これほどの寛大、これほどに満ち満ちた優しさが、男のかたくなな魂を動かし、偏見を砕き、そして、捻じ曲がった心を和ませたのではないでしょうか。この祈りによって、彼は、十字架にかけられている方が真にかけがえのないただ一人のキリスト、神の子であることを知ったのです。ローマ人の十字架のために彼はキリストを激しく罵りましたが、キリストの十字架のおかげで悔い改め、救い主を信じることになりました。律法と刑罰は魂を救えません。恵みと愛が人に涙を流させ、かたくなだった罪人を悔い改めへと向かわせ、慈悲を求めて神へと近づけるのです。
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